台所に、じゅわっと広がる香ばしい音。
黄金色に揚がっていく天ぷらは、
今日の食卓の“ごちそう”です。
火のそばに立つ母の隣で、
少年は目を輝かせながら、
揚げ上がる瞬間をじっと見つめています。
少し跳ねる油、ふわりと立つ湯気。
母の動きには迷いがなく、
そこには家族を想う気持ちがそっと込められています。
お腹いっぱい食べてほしい。
笑顔でいてほしい。
そんな願いが、油のひと雫ひと雫に宿るよう。
「油」という漢字は、
生活を支えるエネルギー、
そして“めぐり”の象徴でもあります。
火を灯し、
機械を動かし、
食卓を温かく彩るもの——
人の暮らしを、生き生きと支えてきた大切な存在です。
水彩の優しいにじみが、
台所の温度や揚げたての香りまでそっと感じさせ、
見ているだけで心がふっくら満たされる一枚に仕上がりました。
小さな手の先まで届く、
家庭のぬくもりと愛情をどうぞお受け取りください。